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~ SWITZERLAND - Zurich ~
■ チューリッヒ ■
静かな町

チューリッヒ中央駅出口を出た直後、川や橋があるので一見アムステルダムに似たような雰囲気があるがチューリッヒはもっと簡素で建物や路地が少なく、人々はゆったりと歩いている様子が伺える。基本的に町の規模は小さく娯楽施設、観光施設はミュンスター通り周辺に集中しているので、徒歩だけでも半日か1日で観光を終わらすことが出来るだろう。夜中の散歩は全く危なくないが、基本的に夕方5時ごろからほとんどの店は閉まるのでミュンスター通り周辺以外は特に観光する所はない。大聖堂から南へ5分ほど歩くとローカル線らしき駅が現れて、地元の人達はその周辺のお店で楽しんでいるようだ。なぜかその目の前に観覧車があった。
食事
仔牛の薄切り肉のクリーム煮Geschnetzeltesに短冊切りジャガイモのフライパン焼きRostiがついたものを食べた。値段は25フランとスイスだからそれなりに高く、味はまあ普通で美味しく食べれた。となりの外人がかなりうまいと評価していたので、どこから来たのか聞いてみるとイギリス人だったので納得してしまった。その他のオプションとしてスーパーで食糧を買うか、チューリッヒ大学の学食堂で食べよう。大学へは一風変わったレール式ケーブルカーに乗ることによって丘の上へ登っていくことが出来る。下車して建物から出るとメインの大学施設は正面に見えるが、食堂は右側のほうへ歩いて行くとイスとテーブルが並んでいる通路が見えてくる。そして建物内に入ってビュッヘェ形式で食べ物を選んで支払うことになる。学生たちはビールと共にうまそうに食べていたが、ドイツ系のかなりシンプルな料理ばかりであった。
リンデンホーフの丘、付近にて
このまま大したこともなくチューリッヒの一夜が終わるのかと思いきや、再び旅行の神様がやってきた。時間はもう夜中の8時半ごろで真っ暗闇の中、リンデンホーフの丘辺りで何やら演奏らしきものが聞こえてきて、駆け足で音の聞こえるほうへ向かってみると、80人ほどのユニホームを着た中高生らしき生徒達と先生によるマーチングバンドが行なわれていた。円形状の階段が観客席代わりになっていて、父兄や旅行者達がその場に腰を下ろし、しばらくその野外コンサートに耳を傾けていた。30分ほど続いた演奏は大拍手で締めくくられた。夜のチューリッヒの町は普通静まり返っているので、そんな中このような素晴らしいパフォーマンスを偶然観れて本当にラッキーだった。
学生の夜遊び?!
Munstergasseミュンスター通りにはレストランやパブが立ち並ぶ。この通りもかなり不思議でレストラン、パブとストリップクラブが乱立している。話によるとスイスも売春が(一部の地域?!)合法らしく、小道をうろうろ探検してみると飾り窓になっているビルがあった。規模はたったビル2棟だけでそこから徒歩5分でメインの通りに戻れるし、ガイドブックに掲載されてあった、ある一つのホテルからは1分程度の距離であった。驚いたことにお客さんは半分が大学生で、それもそのはず、すぐ側の丘の上にはチューリッヒ大学がそびえ建っている。彼らはビルの真下の道路で飾り窓を見上げながら、何やらジェスチャーで値段交渉を行なっていた。不思議な光景だったのは、窓に立っている女の子の一人が大学生らしく原付に乗ってやってきた男子大学生がその子の常連か知り合いのようでアイコンタクトを交わした後、彼はビルの中へと消えて行った。チューリッヒの町は何て大胆不敵な町並み構造になっているんだと思ったが、これもしっかりした教育を受けた人々が住んでいるスイス社会ならではこそ成立するのだろう。
スイス国立博物館
チューリッヒの店や美術館のオープン時間は大変短い。早起きしてスイス国立博物館に向かったが10時にならないと開館しないので、その近くの公園で時間をつぶした。しばらくして開館時間となりバックパックをロッカーに入れて見学開始。館内は意外と広く中世の装飾品、ドレス、ガラス細工などが見ることができる。その後すぐそばにある中央駅に向かい次の目的地の列車時刻を調べる。駅員の態度は親切だしホームもしっかり清掃されている。日本と同等レベルの安全さだ。一方で、土日、お店は閉まり娯楽施設もあまりなく刺激がなくて且つ不便な国であるかもしれないが、時間通りに仕事を終えて家庭内の時間を大切にできるし、いちいち物事に対して慌てなくてもよく、のんびり安全に暮らしていける、そんな印象を受ける町であった。